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2017-08-03
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SURFACEを買った話(PCではない
(1/6)

その服は凄く良いけど、その服に私が似合わない。
ということを言われたことがあった。
私にその服は似合わない、ではなく。服に私が似合わない。

つまりそれは、自分ではなく、服を主軸に据えた考え方のようであった。
自分に合う服を探すのではなく、着たい服に見合う自分になりたいという姿勢だった。

俺はその時、それがいまいち理解できなかった。


─(2/6)

サーフェスを買った話である。
サーフェスといえばパワフルかつ洗練されたWindowsノートPCのことをどうしても思い浮かべてしまうけれど、
それのことではなく、そういう名前のカットソー、つまり服である。

HAREのサーフェスガラプルオーバー
ttp://www.dot-st.com/hare/disp/CSfGoodsPage_001.jsp?ITEM_CD=761194

周りに服好きな人が皆無なので、表立って服の話をする機会がないのだけれど、
せっかくなのでサーフェスを買いに行った顛末をここに書いてみることにする。


─(3/6)

お金が入ればまず買うぐらいに毎月欠かさず服を買っていたはずなのに、
どうにも最近服を買っていなかった。
最後にちゃんと買ったのは冬ぐらいだろうか。季節が2つも移り変わってしまっていた。
買っていなかった理由はいろいろと浮かぶけれど、一つに絞るとなれば余り人と関わってないことのような気がする。
人と会わないと身なりを気にしなくなるので、自然と服も買わなくなるきらいがあるように思う。
たまに会うのも気の知れた相手ばかりで、まぁ服はテキトウでいいか……という感じだった。
相手がたまに会う人とかだと、じゃあ着ていく服買わなきゃ!というように自分はなる。

そんなときに、久々な友人と会ってちょっと服の話をして、自分の今の身なりの酷さに気づき、
そのあまりの恥ずかしさに辟易して服を買わなきゃと思ったのが発端である。
こりゃいかん。急だったとはいえ本当に恥ずかしかった。


─(4/6)

とりあえず、いつも買っているブランドに行ってみる。
が、これは何かが違うように思った。
最近読んだラノベで高校生でゲーマーの主人公がリア充を目指す過程で、
この店の服をマネキン買いするシーンがあって、そういえば同じ店だなと思い出したのだった。
自分はそれを読んだとき、好きなブランドの服を好きな主人公が着ることにめっちゃ感動して嬉しかったのだけれど、
冷静に考えれば「背伸びした高校生が着るブランドなのか……」と思うようになり、
自分はもうそれほど若くはないので今回の買い物は別ですることにした。
といいつつもチェックはした。
そしてベルトだけ買ってしまった。
もっというと色違いで2つ買ってしまった。

というわけでちょっと遠出をして、値段設定も高くして普段は入らないようなブランドに思い切って入ることにした。
が、当然入れなかった。めっちゃ緊張する。
自分はこれまで、5k前後の服の店での買い物が主流だった。
それが今回は背伸びをして10k前後くらいの店を選んでいる。
そうなると店が雰囲気からして違う。
自分が今着ている服じゃ、場違い感が否めずにいた。服を買いに行くための服が無いとはこういうことだったのか。
店には入れず、遠目で店の前を何度も通り過ぎるばかりである。イベントで同人作家に挨拶できない状態のやつだこれ。
とりあえずその日は雰囲気が自分好みのブランドを3つほど控えて戦略的撤退をして、
そのブランドを通販サイトでみることにした。
そこで出会ったのがサーフェスである。
一目惚れだった。

そしてやっぱり実物が見たかったので、着ていく服が無いなりにできるだけ小奇麗な服を選んで、
後日もう一度お店に行ってみることにした。人が多そうな土曜日を選んで。


─(5/6)

店に入るとやっぱり世界が違う。
価格帯を少し上げただけで、もう別世界。
良い服しかない。
やヴぁい。

昔は3kのシャツと10kの似たような白シャツに何の違いがあるのかわからず、
「1万円越え!? だって布だぜ!?(c)」と言いたくなっていたものだけれど、
10kのを見たら3kのとは確かに全然違っていたし、安くないものは安っぽくないという当たり前のことを知る。
というか高い店ってどうして値札をあんなに奥深くにしまうのよ。
ほじくり出して見るのがめっちゃ恥ずかしいんだけど。
あれか。見ないのか。みんな値札見ずに買うのか。おれは見るけどな!!
でもやっぱりいちいち値段チェックするの恥ずかしいからこれからは通販サイトで大体の値段見てから来ることにしよう。

といった具合に勝手に葛藤していたらサーフェスを見つけたので手に取る。
おぉ素晴らしい……俺の一目惚れに間違いはなかった。
感動しながら軽く広げてみると、ちょっとデカい。
いや、かなりデカい。
プルオーバーなのだから大きめなのは当たり前なのだけれど、俺の体格が痩せすぎなこともあって、一番小さいのでもデカい。
詳細を見ると胸囲124センチである。自分が普段着ているプルオーバーは胸囲100前後だ。
鏡の前で合わせてみると、店員さんがちょっとデカいかもですね……と言った。ですよねー。
これは悩む……欲しい……でもデカいな……着てみたら案外いけるかな……試着してみるか……。
そうやって悩んでいると別の店員さんが試着しますか?と声をかけてくれた。空気読めすぎる。
ついでに「これ欲しいんですけど、デカくないですか…?」と聞いてみると
「いや、全然いけそうっすけどね~! 元々デカめのなんで~!」と軽く返ってきた。いけそうなのかよ。どっちだよ。
混んでいたので数分待った後、試着してみるとサーフェスの大きさは案外気にならなかった。
このプルオーバーでしたらワイドパンツと合わせるのが良いですよーとのことで、
合わせて試着してみると、大きさがもっと目立たなくなっていた。凄い。店員さんの言うとおりである。
体格まで操るとはリアルでフォトショ使えるぞこの人。やはりプロ……。
そうして一目惚れした相手をお持ち帰りする言い訳をもらったので、買うことにした。
ワイドパンツは似たようなのを既に持っていたけれど、せっかくなのでこれも買うことにした。
どうやら今は夏のバーゲン中だったらしく、結局値段はそれぞれ5k前後だった。
あれいつも通りの値段だこれ。バーゲンすげぇな……。
通販で見たときは9k位だった気がするんだけど……。


─(6/6)

家に帰って、サーフェスをもう一度着てみる。
冷静になると、やっぱり少し大きいのでは……?と考えを改めた。
試着するときとかは雰囲気でテンション上がるからね、しょうがないね。
でもまぁ元々ゆるいのが好きだし、許容範囲だろう。
サイズがピッタリ合う服が小売りに並ばないのは慣れっこだった。

でも自分の体がもうちょっとガタイよければ、もっといい感じに着れるんだろうな。
そう思うと、なんだか服に申し訳ない気持ちになる。
一目惚れしたこの服を、俺ではちゃんと着てあげられない。
着方で誤魔化して、自分への言い訳をしていないと鏡の前に立つこともできない。
俺ではこの服に釣り合わない。
そう思ったとき、一つわかったことがあった。

私にその服は似合わないのではなく、
その服に私が似合わない。

そういえば、そんなことを、誰かが言っていた気がする。
ああ、そういうことだったのか。
それは確かに、その通りだと、今ならわかる気がした。


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