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2017-04-07
こいよ
ゲームの話。





─(1/3)



思えば。
エグゼシリーズの戦闘って、暗転チップ使いまくれば楽に勝てるわけですし、勝つことだけを考えたならさっさと戦闘を終わらせられるようになっている。
でもプレイしていた当時、戦闘を重ねるうちに不思議なことに、自分のプレイスタイルに美徳を求めるようになっていったことをRTAを見ていて思い出した。
バリアブルソード一発で終わる戦闘も、あえて使わず、
ガッツマンからのカモンスネークとか、周りくどい倒し方をするようになっていた覚えがある。無駄にカウンターを狙ったりだとか。ブルース相手にソードチップ縛りをして、フミコミザン返しをする演出をしたり。そうやってゲームを楽しんでいた気がする。

それらは効率を求めるなら無意味なはずの選択で、別に必要のない物だろう。
でもそういう自らのひと手間が、当時は無意識だったけれど、ゲームをさらに面白く感じさせていたように今は思う。
ゲームが楽しいのは勿論だけれど、『自分で楽しもうとする気概』がちゃんとそこにあったかもしれない。そして、そうできる方法がエグゼにはちゃんと用意されていた。

昔、東方弾幕実況スレという、東方限定のゲーム実況スレに常駐していていた時期があって、そこではノーミスノーボムノー結界(ノーノーノーと呼んでいた)で幽々子の反魂蝶を取得すると、「綺麗な反魂蝶だなー」と讃える文化があった。
「綺麗」というのはつまり、被弾やボム等で相手の弾幕を一度も崩さずにスペカを取得するということで、美しさを競うという名目である弾幕ごっこに相応しい賞賛の仕方であった。66秒間の耐久スペル。「上手い」ではなく「綺麗」なのだ。
思えばそれも、クリアを目指すだけなら別に綺麗さを狙う必要はなかった。だったら決めボムした方が効率的だったりもするだろう。しかし皆して(自分も含め)、反魂蝶は綺麗に残して終らせるようなゲーミングで挑み、それを楽しんでいた。(逆に被弾すると「汚い反魂蝶だなー」と言われる。実際汚い。)


─(2/3)

それらの能動的に楽しもうとする気概が、自分に失いつつあることに気づきはじめていた。
例えばPSO2で言えば、ストーリーはスキップして経験値なんて金で買っているし
集めるのに20日かかる黒い砂漠の造船アイテムも、金で買えばいっか……というように思い始めていた。
それらはエグゼで言えば暗転チップでさっさとウイルスを倒すようなもので、言ってしまえば作業ゲーだ。世界一位のゲーマーである友崎くんが日南に放った台詞を借りるなら、生産的で、効率よく、呆れるくらいに正しいことなのかもしれない。いや呆れはしなかったかもしれない。
ともかく、攻略サイトがゲームをつまらなくさせるようなことは、できればあってほしくない。

非効率さの中に面白さが隠れているという認識は、攻略サイトのない世界一難しいギャルゲをしたときに感じ始めていたことだけれど、その考えを自分の物にして意識的にゲームに取り組むことはしたことがなかった。
飽きたとかつまらないとか思う前に、楽しもうとしてやってみると、なにかが発見できるかもしれない。つまらないと思う人がいる反面、同じゲームを楽しいと思っている人もいるわけなのだから。


─(3/3)

そうやって今日も、オンゲの黒い砂漠を起動して、エフィリア港で積荷を運ぶ。せっせと運ぶ。
1日1回しかできないこのイベントを20回やれば、なんか凄い船の材料になるらしい。船は欲しいけれど、でもはっきり言ってこれを20回もするのは退屈な作業である。そう思いながらせっせと運ぶ。
日付が変わるタイミングでリセットがされるのだろうか、0時になれば積荷を運ぶ人達が集まり出し、自分も遅れてそこに加わる。
そして、それは偶然だった。
積荷は勝手にそれぞれ運んでいくのだけれど、別のプレイヤーとスタートのタイミングがちょうど合わさってしまった。動きがシンクロして、なんか気まずいけど、思わず笑ってしまう。ゲームをプレイしているプレイヤーが思い思いに街中を歩きまわっている中で、僕とその知らないプレイヤーの二人だけが、全く同じルートで、同じ動きをしている。
ほどなくしてスマホの着信に気を取られて僕が止まってしまっていると、その均衡は崩れてしまった。──はずなのに何故か相手も止まってくれていた。僕が歩き始めて追いつくと、相手も歩き始め、わざとぶつかって競り合ったりしてくれる。明らかに不審で、僕を意識した挙動だ。風ノ旅人かよ。言っておくとぶつかっても何も起こらないし、積荷を落としたりはしない。無意味だ。しかし、その無意味さは僕にとっては無意味じゃなかった。
数分で運ぶのは終わってしまい、やがて群衆に紛れていった。さっきまで特別に見えていたプレイヤーなのに、その瞬間に「その他大勢」に代わる、不思議だ。
自分も釣りをするためべリア村へと引き返す、遠いな。積荷運搬のデイリーイベントのためだけに毎回ここに来るのは、正直面倒だ。
──だけどまあ、少し楽しかった。
だから明日も、また来よう。遠いけど。
今回は偶然楽しかったけれど、まあ、20回もやるんだから、楽しいことがまた起こるかもしれない。
なんだったら今度は自分から意図的にタイミングを合わせて絡んでみよう。
それはブルース相手にフミコミザン返しの演出をするみたいに。
綺麗な反魂蝶を観るために66秒間耐久するみたいに。
だから0時にまた、積荷の前で。

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